2005年11月14日

新ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論

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新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論
小林 よしのり 著


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新ゴーマニズム宣言SPECIAL戦争論 (2)
小林 よしのり 著


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新ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論〈3〉
小林 よしのり (著)


読んだ。
たかがマンガ3冊じゃないかと言われそうだけど今まで読んだ本の中で一番労力が必要だった気がする。
この本を読んでいる間に戦争の夢を何度か見た。

あまりに感じたことがたくさんあったからか、何をどう書けばいいのかと迷った。
ので、いろいろなサイトのレビューを見てみた。
いろいろ読んでたらいろいろ疑問が湧いてますます何を書けばいいのかわからんくなった(笑)

例えばこの本を「偏っている」という人がいるが、何をもって偏っていると思うのか。
そもそも偏っていると判断できるのは自分が「偏っていない」ことが前提になる。
果たして「偏っていない」人間など存在するのか?
要するに「偏っている」と感じるのは自分がいる場所からみて「偏っている」にすぎない。

一方で「これこそが正しい歴史観だ」と言いたげなレビューも多い。
そういう気持ちにもなれなかった。
それはこの本の出来どうこう以前に、いわゆる戦後の自虐史観、あるいは東京裁判史観に染まった戦後教育を受け、それをそのまま信じていた私としてはこの本1冊をとって「これこそが正しい!」と言う気にはならない。
歴史観というのは同じ日本人でもいろいろなとらえ方がある。
だからどれが正しいというのは人それぞれ違うだろうし、そもそもどれが正しいと言えるものなのかとも思うので。
だから自分なりに正しいと思える歴史観は、私がこれから多くの文献に触れることで自然と出来てくることだろう。

と、長い前置き・・・。

この本を読んで一番思ったのは「日本人として生まれてきて本当によかった」ということだ。
今までも私は何度もそう思ってきた。
「憲法9条のおかげで戦争をせずに平和に生きてこれた」と思ったこともあったし
こういう戦争の本を読むと「あのときの人たちのおかげで今がある」とも思えたし。
でもなんていうかもっと長い歴史を見ても、日本人はよく外国の人が言うように「勤勉」だったと思う。
なんていうか歴史を「誠実に」あるいは「道徳的に」歩いてきたという感じを受けた。
それは島国だったからとか地理的なこともあるかもしれないし
単一民族(というと批判もあるかもしれないけど)だったからかもしれないけど
とにかく日本の歴史の中で多少の身分の差、貧富の差はあっても
大小問わず戦や争いごとはあっても
一部の人たちを殺してもかまわないとかそういう観点の「残虐的な殺戮」も「奴隷制度」的なものはなかった。
それが小林氏が言うように「日本人は多神教であったこと」が理由かどうかはわからないけど。
私はそれを当たり前のように思ってきたけど、世界に目を向けてみればドイツのユダヤ人に対するホロコーストに限らず、白人は有色人種に対して獣や動物と変わらない感情しかもっていなかったし、中国は今もチベットに対して「民族浄化」をおこなっている。
そう考えると日本人は優れた民族なのだ、というくらいの気持ちを日本人は持ってもいいような気がした。
(謙虚さを美徳とする日本人の感性とは別のところで)

私はこの本を多くの人の読んでもらいたいと思う。
それは「これこそが正しい」からではない。
戦後の教育を受けた人間にとって大きなきっかけになり得る本だと思うから。
特に「朝日は嫌い」「共産党も嫌い」「謝罪や賠償ばっかり求める中国も韓国も嫌い」
でも戦争のことになると「確かに日本は悪いことをした」そう思っている人に読んでもらいたい。
それは一見、戦後のサヨク教育から抜け切れているようで実は全然洗脳されたままだから。
つい最近まで私もそう思っていたし。
私たちサヨク教育を受けた人間がすべきことは自分の価値観を一度壊すことであると思う。
でもこれはとても大変なことだとも思う。
具体的にどうすべきか。
まず、自分が何をどう教わったのかを知ること。
そのひとつひとつが正しかったかどうかを検証すること。
ここで「それに近いことはあっただろう」とか「別の場所ではあったかもしれない」ということは別にして、「従軍慰安婦」にしても「南京大虐殺」にしてもそれそのものが本当はどうだったのかを知ることが大切だと思う。
それをせずに「確かに朝日はやりすぎだけど、日本は悪いことした」と思っているのは
ぶっちゃけただの知ったかぶりだと思う。
(もちろんいろんなことを調べて考えた上で、やっぱり日本が悪いと思うことを私は否定しない)
そういう意味ではサヨク教育を受けた私たちに、この本は大きな疑問を投げかけてくれるだろう。

あとこの本に関して言うとなぜか戦争論3だけは他の本に比べて評価が低い。
というか評価が二分している。
なぜかっていうか理由はわかってるんだけど。
戦争論1や2は他の本でも見られるように「サヨク」批判に対して
3は「保守派」(彼曰く「親米ポチホシュ」)を批判している。
でも私は彼の感情はわからなくはない。
太平洋戦争(大東亜戦争)に於けるアメリカの責任というのは大きいと思うから。
だからといって彼は今更アメリカに対して謝罪しろというスタンスではない。
親米の日本人に対してこの戦争のアメリカの責任をきちんと理解しているのか。
また東京裁判やその後の日本のあり方を考えた時にイラク戦争を本当に支持できるのかと疑問を呈しているだけなので。
私もそれは結構共感できた。

う〜ん、オススメしたい本をレビューするのは難しいですな。
要は「一回読んでみろよ」ってことなので(笑)


あと最後に最近変わってきた私の感情を書いておく。

私は中国や韓国の反日教育を知ったときにすごく腹が立った。
というか「そんな風にしか国をまとめられないなんてなんておろかなんだ」と思った。
その気持ちは韓国に対してはまだ思ってるんだけど中国に対しては変わってきた。
というのは中国が大きな国だからというのもそうなんだけど
中国の歴史を考えたときに中国は大きな国であるゆえに多くの民族がいて
その民族がその時その時中国(という土地・これもその時々でサイズは当然変わる)を支配しているだけなので日本と違って連続性がない。
日本は平安ー鎌倉ー・・・と変わっていくなかでも同じ「日本人」が支配していることは変わらない。
しかし中国はその時々で支配する民族が変わるし、民族が変われば言語も違う。
全く別の人種で、いわば「外国人」のようなものなのだ。
だから「国」という概念が生まれない。
日本人が「日本」を思うようには、中国人は「中国」を思えない。
自分の民族を思うことならできるが。
そういう個々の民族が集まった集合体である中国を一つにまとめるのは容易ではない。
だからこそ外に敵を作る。
同じ感情を持つことでまとまる。
だから中国をまとめる上で、反日感情というのはしょうがないことなのかもしれないと。

とにかく私が思うのはアメリカで原爆を知らない子供がいることや
イギリスでは阿片戦争を習わないとか学校がそういうことを取り上げないことは勝手だ。
中国や韓国が日本を悪く習うのもまぁよし(とは思わないけど相当譲歩して・笑)としても
他国が日本を悪く言おうとなんと言おうと、日本人は日本人として知らなければならない歴史があるし、誇りを持てる歴史がある。
それを知ることは日本人として必要なことではないかということ。

他国の批判に惑わされず、戦後のサヨク教育に惑わされず、1人の日本人として改めて日本の歴史を知ることができるようになりたいと思った。
自分が偏っているかどうか、洗脳されいているのかどうか、それは自分にはわからないし、自分の立っている場所も自分ではわからない。
けれどそれでもできるだけ客観的になろうと努力することが必要なのかも。
それが「我思う、ゆえに我あり」ってことなのかな〜と。

最後はなんか哲学の方にいっちゃいましたけど。
こんな感想です。
posted by ひとみ at 02:20| Comment(9) | TrackBack(0) | 読んだ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>ドイツのユダヤ人に対するホロスコープ

ホロコーストですよ。
Posted by パスファインダー at 2005年11月14日 10:27
あはは。
ホロスコープって星占いだし(笑)

深夜に書くとこれだからダメですね〜。

訂正しときます。
Posted by ひとみ at 2005年11月14日 12:51
コヴァは、あくまでも入門編に留めといてね。
戦後教育を払拭するための取っ掛かりとしてはいいんだけど、この人の主張通りに外交を展開したら、日本滅びます(w

というか、西尾(こいつはこいつで問題があるのだが)を犬に描写して書いたり、逆に西尾から反撃食らった時の態度見てかなり引いた。
Posted by きんた@恐怖!猫屋敷 at 2005年11月14日 21:46
あーそれはわかりますね(笑)
彼の意見ははっきりしてて嫌いじゃないですけど、そうなれればいいけど・・・ってのが現実ですからねぇ。

彼もつくる会の教科書を執筆したりしてるので、仲良しなのかと思いきや、敵を作ってますな〜。
櫻井よしこさんのことも批判してるって聞いたけど。
よく知りませんが。

まぁこれからもいろんな人の本を読んでいこうと思います。
Posted by ひとみ at 2005年11月15日 00:16
一度に3冊読むのでは大変ですね。オイラは出版されるごとに読みましたから。お疲れ様です。

よしりんは、政治家じゃありません漫画家です。現実論を述べる時もあれば、理想論を展開する時もありますし、さらには極論を吐くこともある・・・そもそも『ごーまんかましてよかですか?』ってわざわざことわっているんですから。

本来なら、保守言論人がやるべきことをやってこなかったから、彼がしかたなくやっている・・・高橋氏の靖国問題に対抗するのがマンガの『靖国論』だなんてちょっと情けない。
さらには『戦争論』なんて、漫画のテーマじゃありませんよね。これだけの量と質をこれだけ分かりやすく読者に提供した例を知りません。それだけでも彼の功績は素晴しいと思います。

保守論壇のほとんどが、反中嫌韓はともかく、親米媚米ばっかり。

媚中もうんざりだけれども、媚米も論外。確かに、現実論としては米国抜きに安全保障は考えられませんが、少なくとも心根には、自主独立の気概を持つべきと思いますし、よき日本伝統を守り続ける努力をすべきと考えます。

よしりんの主張が完璧でないのはあたりまえ、人間だもの(笑)。でも、西部さんとよしりんの政治スタンスには好感を持っています。
Posted by 金魚 at 2005年11月15日 02:32
あ、そうです。もちろんその通りですよ。

彼のような人は必要だと思います。
今じゃ当たり前になっている「親米」に対して、本当にそれでいいのか?こういうことをふまえた上でそう言えるのか?と疑問を投げかけているわけだし。
そういうことを言う人は必要だと思います。

少なくとも私は政治的に親米というかアメリカと強く繋がることは必要だと思うけれど、気持ちまで親米になる必要があるのかとは思いますもん。
原爆や空襲という過去のことはともかくとして、戦争するアメリカに対して、平和主義を掲げる日本が即支持するというのは理解できませんでした。
無差別テロを決して認める気持ちはありませんが、彼の言うように少数派が起こすテロは否定されて、大きな国が起こす戦争は肯定されるっていうのはおかしいんじゃないか?というのは彼の本を読む前から思っていたことなので「そうだよな〜」と思って読んでました。

私はゴー宣SPしか読んでないのでわしズムなんかを読むとまた違うのかもしれませんが、彼は政治そのものよりも日本人として国民ひとりひとりに感情論をぶつけている感じがします。
そういう意味で私は彼の本好きですよ。

ただ自分のスタンスとして誰か1人のことを崇拝するつもりがないというだけです。
Posted by ひとみ at 2005年11月15日 09:21
おっしゃりたい事は、感情としては分かります。が。

> よしりんは、政治家じゃありません漫画家です。
> よしりんの主張が完璧でないのはあたりまえ、人間だもの(笑)。

コヴァに関しては、この擁護は成立しないのです。
漫画家が漫画で他人を貶めることが可で、学者がドキュメントで他人を非難する事は不可。
というスタンスで、西尾とやりあっちゃったからねー。さすがにドン引きした。

それでも、さすがにカナモリ女史に見捨てられたと聞いた時にはびっくりしたが・・・
最近というかここ半年ぐらい?むしろ親中に走ってるらしい>わしズム
Posted by きんた@恐怖!猫屋敷 at 2005年11月15日 21:17
オイラの上のコメントは、
>この人の主張通りに外交を展開したら、日本滅びます(w
についてです。彼が政治家の立場であれば、極論は言えず、もっと現実論を語らなければならないでしょう・・・まあ、石原さんのような例もありますが。

自分と同じ意見の人は魅力的に描き、好まぬ主張の人は醜悪に描くという彼の手法はオイラも嫌いです。了見が狭すぎる。
Posted by 金魚 at 2005年11月15日 23:18
へぇ〜カナモリ女史とはお別れしちゃったんだ。

確かに嫌韓流もどうだけど、自分と意見の違う人(サヨクやプロ市民・韓国人)をいかにも目つきのわる〜い感じで書くのは安易な気がしますね。
マンガだからしょうがないのかな〜???
Posted by ひとみ at 2005年11月16日 12:01
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